当社は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、人工知能(AI)の関連技術とソリューションの開発を推進するため、世界各国の優れた人材の獲得に取り組んでいます。その一つが広大な大地と遊牧民文化で知られるモンゴルであり、今年8月、当社代表取締役社長CEOの原田隆朗がリクルーティングを目的に同国を訪れました。日本企業によるモンゴルでの人材発掘は現地の注目を集め、テレビや新聞などでも取り上げられました。原田が生出演した現地の報道番組「Eagle News」でのインタビューの模様を抜粋してお伝えします。

IoT、AIビジネスを共に推進する、優れた人材を求めてモンゴルを訪問

mtes Neural Networks(mtesNN)は、もともとエネルギーマネジメントを生業としていましたが、現在ではIoT、AI、ブロックチェーンに関するソリューションを提供しているテクノロジーオリエンテッドな企業です。2015年3月に創業したばかりのスタートアップの企業ですが、日本の大手印刷会社である凸版印刷のグループ会社のトッパン・フォームズからも出資を受けるなど、今後の成長が期待されています。

われわれは、新しい技術やサービスの開発に携わってもらえる人材を世界中に求めています。そうした中でモンゴルに興味を持ったのは、日本のテレビ番組でモンゴルのかたがたが紹介され、その優秀性に感銘を受けたのがきっかけです。事実、モンゴルには国際数学オリンピックに出場するような、数学のチャンピオンも存在しています。われわれが技術的にフォーカスしているAIでは、数学の能力が要求されます。そうしたことから、まずは1人でも2人でもモンゴルの優秀な人材と一緒に仕事したいと考え、今回、リクルーティングを目的にモンゴルを訪問しました。

われわれが開発を進めているAIは、当社の基本理念である「think at the Edge」という言葉が示すように、センサーなどのエッジ(末端)にあるコンピューターデバイスに実装して利用するものです。また、そのAIは、世界最先端の「ニューロモフィックAIチップ」と呼ばれる、人間の脳の構造を模した半導体を利用しています。われわれは世界で唯一、このニューロモフィックAIチップを商用化している米国企業のGeneral Vision社と提携しており、今年7月には、両社のジョイントベンチャーとしてRoboSensing社も設立しました。

ニューロモフィックAIチップの最大の特長は、ニューロンの数に対して、消費電力が非常に小さいことです。現在、主流となっているAI処理はクラウド上で行われたり、GPU(画像処理装置)を利用したりしていますが、消費電力の大きさが課題となっていました。対して、われわれのニューロモフィックAIチップは、その数千分の1の消費電力量で稼働できます。消費電力が小さければ、さまざまなアプリケーションでの利用が可能となります。例えば、バッテリー稼働で何百人も何千人もの人物を認識できるコグニティブカメラや、将来的には自動運転にも実装可能となるでしょう。このように、従来の“中央集権型”のAI処理から、これからは各センサーが個別にAIを実装し、処理を行う“地方分権型”のAIが主流になると予想されます。したがって、IoT時代の本格的な到来を見据えた場合、当社の技術は不可欠なものとなります。

日本といえば「ロボット」をイメージされるモンゴルのかたは多く、また、日本のロボットといえば、人間や犬の姿をしたものを想像されるようです。対して、われわれの考えているロボットは、「センサー」であり、頭脳だけを持っているものです。つまり、センサーそのものがロボットになるわけです。

モンゴル人の「新しい時代を創り出してきた経験とマインド」に大きな期待

今回、われわれが探している人材ですが、数学の能力以外にどのような条件を求めているかについてお話しします。まずは、「新しいことに挑戦したい」という、チャレンジャー精神を持った人、また、数学が得意といっても、決して数学の成績が良いというだけではなく、数学を知ることで、さらに新しいことにチャレンジできるようなポテンシャルを持つ人、そして、われわれと「一緒に日本企業で仕事をしたい」という強い思いを持っている人材を募集しています。

21世紀は新しいテクノロジーの時代であり、あらゆる製品において、「スマート化」や「インテリジェンス化」が進んでいます。そうした時代において、なぜ、われわれはモンゴルに人材を求めたのでしょうか。これまでは長い歴史を持つ大きな企業が市場で確固たる地位を築いてきましたが、これからも将来にわたって、強者でいられるわけではありません。世の中を一変させるようなイノベーションが、新しいテクノロジーによって創出される時代を迎えようとしているからです。そうした時代においては、古いものをスクラップして、新しいものを創り出していく人材が必要です。モンゴルは世界でもトップレベルの人材を抱える国であり、また、その歴史を振り返れば、新しい時代を創り出してきた経験とマインドを抱えた国民であると感じています。そうしたマインドをもって、新しい物事をクリエイトしてもらいたいと考えています。

当社の目標は、「エッジコンピューティングのプラットフォーマー」になることです。プラットフォームを変えるということには大きなイノベーションが求められます。イノベーションと口にするのは簡単ですが、いざ、それを成し遂げようとしたならば、さまざまな困難が立ち塞がるのも確かです。しかし、当社の技術は確実に必要となるものであり、プラットフォームとして主流になる可能性を十分に秘めています。だからこそ、さまざまな障壁をブレイクするような、熱い情熱と強い精神を持った人材に来ていただきたいと考えています。世界の変化を見通せる人、現状に満足することなく、さまざまな物事に対して疑問を持てる人に、当社は広く門戸を開いています。

なお、われわれと一緒に仕事をしていただくには、日本で生活することになりますが、仕事をするうえでは日本語を話せる必要はまったくありません。ただし、英語によるコミュニケーションは必要となります。

当社に就職されたかたには、当面、ニューロモフィックAIチップに関するソフトウェアやハードウェアのプラットフォーム開発に携わっていただきたいと考えていますが、まずはソフトウェア開発に従事していただくことになるでしょう。

また、将来的には、モンゴルでも事業を立ち上げていきたいと考えています。一つ、当社が提供しているソリューションについて、エピソードを紹介しましょう。現在、当社は日本の鉄道会社と仕事をしています。2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。日本の建造物には1964年に開催された前回の東京オリンピックのころに建造され、それから50年以上を経過したものが少なくありません。対して、センサーを利用して老朽化したインフラを監視するソリューションの開発を進めているところです。

今回、面談したモンゴルのかたにその話をしたところ、モンゴルには多くの炭鉱があり、落盤事故の防止が急務となっているそうで、mtesNNのIoT・AIソリューションが、そうした安全管理の用途にも応用できるのでは、との提案をいただきました。このほかにも、コグニティブカメラを利用した道路のナンバリングシステムなど、さまざまなアイデアも話題に上がりました。

このようにモンゴルのかたがたとは共に新しい技術やソリューションを開発するだけでなく、共にモンゴル国内におけるビジネス開発も推進していきたいと考えています。そして、将来的にはモンゴル発の技術やソリューションを世界中へと展開していきたいと思っています。

社員の募集は既に開始しており、9月20日までは1人でも2人でも優秀なかたを採用し、一緒に仕事をしたいと考えています。興味のあるかたは、当社の会社案内をWebにアップしておりますので、まずはメールなどで連絡いただければと思います。また、今後もモンゴルに訪問する予定ですので、直接お会いしても良いですし、Webでの面接も可能です。

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