ビデオのリアルタイム検索、解析も可能とする、
高性能、低消費電力なGyrfalcon Technologyの「AIアクセラレータチップ」

2019年2月、mtes Neural Networks(以下、mtesNN)は、スマートフォンやカメラ、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーといった、エッジ(端末)における人工知能(AI)技術開発を推進するコンソーシアム、「SCAiLE(スケイル)」を設立しました。

同年4月2日、来日した設立メンバーを講師に迎え、「最先端AI基幹技術に関する企業向けセミナー」を都内で開催しました。設立メンバーの1社であるGyrfalcon Technology社は「最先端のエッジAIチップの基幹技術について」と題して、同社副社長のBin Lei氏が講演しました。本記事では、同講演に基づき、同社が提供する「AIアクセラレータ」の概要と活用メリット、そしてSCAiLEにおいてどのような貢献を果たしていくのか、紹介していきます。

エッジからクラウドまで適用可能なAIアクセラレータチップを開発

みなさん、こんにちは。Gyrfalcon Technologyで副社長を務めるBin Leiと申します。本日は当社の概要と、私たちが提供する「AIアクセラレータ」の優位性について紹介します。Gyrfalcon Technologyは2017年2月の設立から、この2年間で四つのAIアクセラレータチップをデザイン、製造することができました。当社には、三つの専門知識をもったチームが集約されています。それは、「ASICのデザイン」「メモリとストレージ」そして「AIアルゴリズム」です。Crossbar社のSylvain氏が繰り返し述べたように、現在AIにおけるボトルネックは、データフローとメモリ技術にあります。

現在、私たちのAIアクセラレータチップは世界中のトップレベルの顧客企業で使用されており、1番目と3番目に開発されたチップも、すでに大量生産されています。
私たちはコンシューマー市場を出自とする会社です。4、5年前に「AI」の話題をすれば、みな、FacebookやGoogleなどの巨大なインターネット企業のことを思い浮かべたでしょう。しかし、AIはパーソナライズ化されるべきで、個人的な体験に用いられなければなりません。そうしたことから、私たちは腕時計や電灯、携帯電話などを通じて、AIを一般消費者の日々の生活で活用できるようにしたいと考えています。これこそが、私たちにIoTからクラウドまでに適用可能なAIアクセラレータチップを開発するモチベーションとなっているのです。

Crossbar社のReRAM技術を人間の記憶細胞と例えるならば、私たちはその記憶細胞と共に働き、考え、選択を行う脳細胞に該当します。事実、そうしたイメージを念頭に置いて、AIアクセラレータチップをデザインしました。

現在、ほとんどのAIチップは、従来利用されてきたCPUやGPU、FPGAテクノロジーを基に設計されています。対して、私たちは非常に効率的なチップを開発するには、「Domain Specific Architecture (DSA)」と呼ばれる、特定のAIアプリケーションの処理の高速化を目的として独自に開発されたテクノロジーが必要であると考えています。これはとてもユニークなアーキテクチャーで、これまで使われてきたCPUによるデータフロー・メモリ・プロセスとは全く異なるものです。そして、私たちの製品は非常に低消費電力であるうえ、優れたパフォーマンスを実現しています。
また、私たちのテクノロジーはエッジやIoTセンサー、そしてクラウドにおいても適用可能です。オブジェクトの検出から動画・画像エンハンスメント、あらゆる動画・画像の検出、分類など、一つのAIアクセラレータチップで対応します。
ここでは「AIPIM(AI Processing In Memory)」と呼ばれるユニークなアーキテクチャーが用いられます。データがAIアクセラレータチップにアップロードされれば、すでに処理が開始されます。さらにチップ内には「Memory-based Processing Engines」が28,000個ほど搭載されており、非常に高速な処理を実現しています。