IoT、AI活用の世界的な拡大に向けて
モンゴルにおける人材採用と事業戦略

 

現在、当社は人工知能(AI)人材の開発教育およびIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、AIビジネスの展開において、国内外のさまざまな企業・組織との関係強化を進めています。その一つがモンゴルであり、同国発の技術開発を推進しています。今号は、当社代表取締役社長CEOの原田隆朗が8月にモンゴルを訪問、同国での人材開発と採用計画、および、今後、現地でのIoT、AIを活用した事業戦略の展望について語りました。

リクルーティングを目的に訪れたモンゴルの印象

今回、モンゴルには37回目の訪問となる兼作明利特別顧問と共に、現地のトップクラス企業に勤める人材や国立大学数理研究所所長など4人を含めた、8人以上のかたがたとの面接を行いました。

日本企業によるモンゴル人材の開発ということで現地でも大きな関心を集め、モンゴルのテレビ局Eagle TVの報道番組「Eagle News」1(この番組は日本では放送されていませんが、英語のテロップが付され、インターネットで世界配信されています)のインタビューをはじめ、ウランバートルのトップテレビ局であるUBS*2に生放送出演したほか、モンゴル全国誌新聞3の取材を受けるなど、盛りだくさんの旅程となりました。

過去、モンゴルは70年間にわたりソ連の支配下にありましたが、1991年のソ連崩壊時にはその影響下から離れ、現在では民主党と共産党の二大政党による民主主義の国家として独立しています。もともとは遊牧民族としての歴史を持つモンゴルは、12~13世紀のチンギス・ハーン、フビライ・ハーンの時代には、世界最大のモンゴル帝国を築いた誇り高い国であり、現在ではGNPの70%を鉱山資源に頼っています。

モンゴルに1週間滞在して感じたのは、日本と比べ極めて物事に対してフレキシブル、かつスピーディーである一方、全体的におおらかな面が多い、という印象です。冬はマイナス40度に達する厳寒の国でもありますが、どちらかといえば、みな、気質も明るく、マインドとしてはフィリピンと似ているように感じました。

今回のモンゴル訪問は、もともとはインド企業やベトナム企業への開発業務委託と同様に、IoT・AIの開発人員候補の状況確認とリクルーティングを目的としていました。実際に訪問したところ、確かにお会いしたかたがたは日本の東大や東工大、およびその大学院や、他海外大学・大学院の博士クラスのかたが多く、発言や考え方もしっかりしており、やる気に満ち溢れている様子がうかがえました。

 

現地密着型のプロジェクトを立ち上げ、優れた人材の発掘と世界的な事業拡大に挑む

モンゴルはとても面白い国です。優秀な人材も多く、何より国家として経済成長におけるスピード感があります。そうした中で、当社の今後のモンゴルにおける取り組みは、以下の方針に基づいて進めていきたいと考えています。

①人材開発・業務委託に関しては、まずは非常に優秀な人材を一人、あるいは多くても二人ぐらいに絞って、獲得していく計画です。実際、今回の訪問で、その候補者となるかたがたを見つけることができました。人材開発に際しては、雇用という形だけではなく、その他の形態での業務提携も考えています。

②①で獲得した人材を中心に、モンゴルに密着したプロジェクトを立ち上げていきます。現在、モンゴルの優良鉱山では、日本の建設機器メーカーが関わり、全自動の無人鉱山なども検討されていますが、大半は危険な職場です。したがって、安全対策、環境対策が急務の課題と浮上しています。
全自動による無人鉱山のアイデア自体は、モンゴル人の発想によるものですが、当社が日本でも行っているSHM(Structural Health Monitoring:構造ヘルスモニタリング)センサーをはじめ、AIカメラなどのセンサー群と通信機器をモンゴルの鉱山に導入していきたいと考えています。 特に試掘や採算、不採算が未確認である鉱山に対して、安全管理システムや環境管理システムを確立していきたいと考えています。
日本でこのようなプロジェクトを立ち上げようとすると、大変な時間と労力を要しますが、モンゴルの鉱山の60%を占有しているモンゴル最大手MCSグループやモンゴル国の協力を得られること、何より、あたらしい物事にも柔軟に対応できる国民性から、極めてスピーディーにプロジェクトを進めることができると期待しています。

③最新の技術を活用し、モンゴル発の鉱山の安全対策システムや環境管理システムを世界へと発信していきます。なお、モンゴルの大学生、大学院生の最優秀者の多くは卒業後、海外企業、国内外の鉱山関係企業や、先に述べたMCSグループに就職するとのことです。

これらの観点から、当社が優秀な人材を開発、獲得していくためには、現地に密着したプロジェクトを立ち上げ、推進していくことが肝要となります。そうした現地密着型のプロジェクトを通じて、今後、必要となる人材を発掘、獲得できると考えています。

さらに、われわれの技術を台湾や米国、中国など、さらに世界各地へと展開していくためには、これまで述べてきたようなプロセスを実行していくことが不可欠です。グローバル企業へと脱皮していくためには、果敢にチャレンジしていかなければならない重要なテーマであります。「言うは易し、行なうは難し」であることは確かですが、難題に挑み、ブレークスルーを起こしていかなければ、世界企業へと成長を遂げていくことはできません。