【IoTフューチャー対談 第6回】
ニューラルネットワークとAIエッジテクノロジーの未来を築く、ロボセンシング社が誕生

当社とAIチップ開発の米国General Visionは、AI技術に関する共同開発の一環として、合弁会社RoboSensing(以下、ロボセンシング社)を設立しました。今後、日本国内にも支社を設立し、AI人材の育成をはじめ、ニューロモフィックチップやエッジコンピューティングを活用したM2Mシステムなど、AI技術の開発を積極的に進めていきます。

今号は当社のマネジメント層とIoT業界のキーパーソンと対談するシリーズ「IoTフューチャー対談」の第6回。当社代表取締役社長CEOの原田隆郎、取締役の斎藤高志と、General Vision社 バイスプレジデント オペレーション&リーガルコンサル担当のマシュー・コバヤシ(Matthew Kobayashi)氏、顧問の松尾信孝氏が座談会を行い、ロボセンシング社設立の背景から、両社のパートナーシップがもたらすメリット、そして今後の事業展望について語り合いました。

「ニューロンは、今や世界中で必要とされるソリューションに成長」(コバヤシ)

コバヤシ氏(以下、コバヤシ):私は10年以上、ギーやアンと共に仕事をしてきましたが、以前からGeneral Vision社のテクノロジーは、必ずや大きな成長を遂げると確信していました。また、われわれは市場がセンサーの拡散を受け入れ、それを必要とする日を待ち続けていました。そして、センサー市場を拡大させていくためにも、優れたパートナー企業、そして、さまざまな要求を提示してくれる顧客が必要でした。今回、MTES社とGeneral Vision社がタッグを組んだことで、市場で大きな成功を収められると期待しています。

原田社長(以下、原田):私自身も両社の提携には大きな期待を寄せています。ところで、われわれは日本企業であり、General Vision社は米仏の企業ですが、この複数の国々をまたがったパートナーシップについて、どのようにお考えですが。

コバヤシ:いまや世界は、ますます狭いものとなっています。国ごとにそれぞれ異なるソリューションが求められる一方で、世界的に共通したニーズも浮上しており、そのニーズに対して共通化されたソリューションが必要とされています。エッジテクノロジーやニューラルネットワークによる機械学習は、今や世界中で必要とされるソリューションへと変化を遂げています。このソリューションは日本や仏国、米国だけに留まらず、全ての国の全ての人々に影響をもたらすものです。なぜなら、インフラからヘルスケア、教育、研究に至るまで、全ての分野に深い関わりをもつテクノロジーだからです。

原田:今回締結された両社の基本合意に基づき、2018年7月、米国に合弁会社となるロボセンシング社を立ち上げました。この企業名に込められたコンセプトについて、改めてご説明いただけますか。

コバヤシ:当初は「グローバルセンシング」や「リアルジェネラル・ヴィジョン」といった社名も思い浮かびましたが、「ロボセンシング」が最もしっくりくると考えました。General Vision社はその名の通り、“ビジョン”という分野にフォーカスしています。そこにはギーやアンが設立当初から抱き続けてきた思いや関心事項が込められているだけでなく、会社自体の発展にも“ビジョン”という分野が大きく関わってきたからです。とはいえ、今や彼らが開発したものは、ビジョンに関する分野だけに留まるものではありませんが。
一方、ロボットについて考えた場合、人間のように「見て」「聞いて」「話して」「思考する」ことが実現されなければいけません。“センシング”とは、これらの全ての感覚を意味するものです。そうしたことから、「グローバル」や「ビジョン」という言葉が付いた名前よりも、「ロボセンシング」が最もふさわしいと考えました。事実、この名は、われわれが実現できる可能性を最も的確に捉えていると思っています。

「メーカーと開発者が密接なタッグを組み、それぞれの得意分野を生かした製品開発を推進」(松尾)

斎藤取締役(以下、斎藤):これまでは、mtesNN社がプロダクターとして対応してきましたが、これから共に作り上げていく新しいマーケットを見据えた場合、どのようなパートナーシップを理想形として考えられていますか?

松尾顧問(以下、松尾):この合弁会社の将来像ですが、メーカーと開発者が密接なタッグを組み、それぞれの視点に基づいて今後の市場の方向性を見定めつつ、それぞれ得意とする立場から最適な製品を生み出しいくことが非常に重要であると考えています。

コバヤシ:まだ流動的な状況にありますが、顧客基盤全体、つまり、顧客自身や関連する企業、およびそのユーザーも含めた多様な要望に応えるための、プロトタイプの開発と製造から始めたいと考えています。そのためには、ソリューションの開発に必要な専門的な技術を持つパートナー企業の開拓も不可欠です。
われわれが創出するソリューションは全て、General Vision社のパターン認識モジュール「ブレインカード」とニューロモフィックテクノロジーをベースとしています。これらのテクノロジーはわれわれの事業の本質となるものであり、また、全てのテクノロジーの核となるものです。一方で、まだまだ経験や知識が不足している分野において、専門的な知識を深く極めている、他の企業とパートナーシップを築いてくことにも注力していきます。
ギーとアンは、独創的なアイデアを持つ、賢く素晴らしい人々で、これからもさまざまなソリューションを創り出してくれるでしょう。一方、ロボセンシングはその発明に関するライセンスの保有者になるかもしれません。これはGeneral Visionとロボセンシングを分社化した理由の一つです。
われわれは、マーケットで急成長できるソリューションを創り出したいと考えています。とはいえ、現時点では、手始めとしてインフラの領域について顧客固有の要望を満たすためのソリューションの開発から行っていく計画です。
ニューラルネットワークやAIに関していえば、まだまだ市場での十分な認知が得られていないと感じています。対して、われわれは真のニューラルネットワークとAIのエッジテクノロジーがいかなるものなのか、その基盤を作り出し、それを受け入れてもらうことで、より広く一般からの認知を得られると考えています。