株式会社レオパレス21
コーポレート業務推進統括部 理事統括部長 早島 真由美氏
商品技術統括部 建設企画部 資材開発課 設計課長 大木 宏樹氏

【IoTフューチャー対談 第3回】
IoTセンサーやAIカメラの活用による近未来の介護施設や賃貸物件の在り方など不動産業界の将来を展望

当社は、2017年10月3日に株式会社レオパレス21と共同で同社が運営する介護施設「あずみ苑グランデ草加(埼玉県草加市)」において、利用者の見守りサービスの一環として、介護業界初となるIoT(Internet of Things/モノのインターネット)とLoRa(ローラ)1技術による「高齢者見守りシステム」の実証実験を同年 9月25日から開始したことを報道発表しました。同月21日付けの日本経済新聞本紙にも記事として掲載されました。
今号は当社代表取締役社長原田隆朗がIoT業界のキーパーソンと対談するシリーズ「IoTフューチャー対談」の第3回。レオパレス21で「高齢者見守りシステム」に取り組んでいる、株式会社レオパレス21 コーポレート業務推進統括部・理事統括部長の早島 真由美氏と同社商品技術統括部建設企画部・資材開発課設計課長の大木 宏樹氏とダイヤモンド経営者倶楽部*2(東京都中央区銀座)の銀座サロンで鼎談しました。IoTセンサーやAI(人工知能)カメラなどの活用による近未来の介護施設や賃貸物件の在り方など不動産業界の将来を展望しました。

*1:LoRaとは省電力で広い範囲をカバーするLPWA(エルピーダブリューエー/Low Power Wide Area)通信規格の一種で、920MHz帯を利用した規格。
*2:ダイヤモンド経営者倶楽部は、中堅・ベンチャー企業経営者の多面的支援を目的にビジネス誌などを発行する出版社であるダイヤモンド社の80周年プロジェクトして1993年に創設された。現在の会員企業数は570社。日本有数の経営者倶楽部。MTESも会員として所属。

シルバー事業部が運営する介護施設「あずみ苑」でIoTによる高齢者見守りシステムの実証実験

原田社長(以下、原田):本日はお忙しい中、銀座までお越しいただきましてありがとうございます。今日お時間を頂きましたのはレオパレス21さんの事業領域である不動産業界において、IoTが今後どのように活用されるのか、その可能性や将来性など、いろいろなご意見をお伺いしたいと思ったからです。
まず、当社が貴社と関わりを持たせていただくようになったのは、貴社のシルバー事業部が運営する介護施設「あずみ苑」における人手不足や経費削減の一環として当社のIoTシステムを導入した実証試験をさせていただいたことです。IoTなどの先進的技術をどういったお考えで展開していくのか、今言える範囲で結構ですのでお聞かせいただけますでしょうか。

早島統括部長(以下、早島):「あずみ苑」につきましては、貴社の開発したLPWAのLoRa回線を使って実証実験をさせていただきました。具体的には非接触バイタルチェックを行う端末やセンサーなどを室内に設置することにより、施設利用者の脈や体の動き、呼吸などを彼らの身体的負担なしで計測が可能なのか、同時に従業員の労働負荷低減につながるのかなどといったことです。
その成果も出ており業務改善の一つにつながったと実感しています。当社も同様の施設が相当数ありまして最新の設備が整った施設ばかりではなく、既築の建物に関しては設備投資ができていない状態なので、いかに安価なコストで利用者さまの利便性や従業員の満足度の向上を図れるのかということは常に模索している状況です。今後貴社にご協力いただきながら、さらに回線に関してもLoRaとLPWAに掛け合わせたり、非接触センサーに関しても常時見える化できるものを採り入れたりするなど、いろいろなものを試しながら最大限の効果が出せるようにしていきたいと思っています。
人材の定着に関しても考えていて、使用する回線の費用対効果が少々分かりづらいという面はありますが、そのセンサーを設置することで労務負荷を低減できればと考えています。人材が他社に流出しないように働きやすい環境作りを第一に考えて全体のシステムを構築したいですね。

原田:ありがとうございます。今の時代、介護業界においても人材獲得の苦労や離職率の高さなど、人材に関する課題を抱えていると他の介護事業者からも聞いております。貴社においてはどのような状況でしょうか。

早島:シルバー事業部では従業員満足度を向上させるためにさまざまな施策を工夫しながら行い、差別化を図っています。ただし、どうしても賃金面だけではなく人間関係があったり、私たちがふだん見えない中で各施設において課題点があったりします。そのため会社としてはそのような現場の声をしっかりと抽出し、いかに改善していくのかということを一つずつ取り組んでいます。
たとえば、勤務形態一つを取ってみても人と人の組み合わせは大切ですからその点を配慮しながら施設長などが相当の時間、半日程度かけてシフトを作っているんですね。このような業務もある一定の要件を入力したら自動化できるようにしたり、本部と連携させたりする。IoTとは違いますが、このようなこともAIやICTを利用して導入していく予定もありますし、いろいろと工夫はしています。

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