IoTでモノからの声を聞き、
社会インフラを守る

IT時代からIoT時代へ

20世紀の終わりから21世紀の始まりにかけて、世の中にインターネットが普及し始め、IT(情報技術)という言葉が大いにもてはやされました。インターネットは社会のしくみを大きく変え、今や私たちの生活にはなくてはならない社会インフラの1つとなりました。社会が変化するスピードは年々速くなります。

ほんの10年ほど前はインターネットといえば、会社や家でパソコンを使うものでした。今でも、パソコンでインターネットに接続する人はたくさんいます。しかし、現在は、それ以上に、スマートフォンで接続する人が圧倒的に多くなっています。スマートフォンの登場によって、人々の生活スタイルは大きく変わり、今や通勤電車では本や新聞を読む人の数は少なくなり、スマートフォンでニュースを読んだり、友達とやりとりしたりする光景を見るのが当たり前になってきています。

そして、現在、インターネットをさらに便利なものにすると注目されているのがIoT(Internet of Things)です。日本語では、「モノのインターネット」と訳されることもあります。今まで、インターネットにつながっていたのは、パソコンやスマートフォンといった情報端末がほとんどでした。IoTは、情報端末以外のモノがインターネットにつながることを意味します。モノは何も言わないですが、IoTによってインターネットとつながることで、様々なモノの声が聞こえるようになるかもしれません。

モノの声を直接聞く新たな技術

IoTでモノの声を聞く試みの1つと言えるのが構造ヘルスモニターです。ヘルスモニターとは何かがしっかりと機能しているのかどうかを測定する機器のことをいいます。構造ヘルスモニターとは、橋やトンネル、ビルなどの構造物がしっかりと機能して、安全かどうかを調べるための機器と思ってください。

構造ヘルスモニターは、主に地震が発生したときに、ビルなどがどのくらいのダメージを受けているのかを判定するために使われてきました。これまではサーボ式加速度センサーという感度の高い高価なセンサーでないと高精度な測定をすることができないので、機器自体とても高価なものでした。有用な技術ですが、価格が障害となり普及しなかったのです。MTESは、低価格の構造モニターの開発に成功し、鉄道の橋脚などの安全性を調べるモニターとして採用されました。

構造モニタリングシステムを必要としている構造物はたくさんあります。構造物は、日々、劣化が進んでいます。低価格の構造モニターとLoRa Privateを組み合わせれば、24時間365日、常に構造物の安全状況をチェックすることができます。これこそ、まさに構造物の声を聞くことに他なりません。IoT技術の発展で、低価格のセンサーや通信手段の開発が進んでいけば、モノの声を聞き、安全性をさらに高めていくことができるでしょう。